牧志+宜野湾

犬と早朝海に行く。携帯ラジオかなにかを持った爺さんが現れ、15メートルほど離れたところに座ってBGMの島歌をわれわれのために(いや、主観です)流してくれる。しばらく海を見る。
犬を新都心のペットショップOPFに預け、那覇平和通りから入って市場、桜坂。夜の街を昼歩くのは好きな時間潰しの一つだ。さらに南に進んで農林市場方面。このへんは午後はもう店仕舞いで、お爺お婆が扇風機の前に座って寝っころがってるだけだが、歩いてるだけでも国際通りや公設市場周辺とは違う空気が感じとれる。「中国茶屋」で三品茶。「海想」でTシャツと石鹸。MALL BEEでわたしは川満信一対談集『ザ・クロス 21世紀への予感』(沖縄タイムス社、1988)、妻はピアス。お約束ブルーシールのアイスクリーム。
宜野湾の琉球料理屋「あしびjima」でSさんと食事。ドゥルワカシーやナーベーラーの味噌炒めなど、どれも大変上品で繊細。沖縄の現況、沖縄文学に頻出するガマ(洞窟)=密閉のイメージや、「父」の不在について。琉球大とミシガン大の関係、米須興文先生がイェイツを研究対象とした動機とか、中野好夫がなぜあれほど沖縄に肩入れしたのか、とか。終戦を経験した世代には、すでに世を去っている人も多い。なぜ占領を目の当たりにして英文学を選択したのか、それが自分にとってどんな意味をもっていたのか、この世代の方たちにはちゃんと聞いておかないといけない。新崎盛輝先生に中野好夫について聞くとか……。以前、そんな企画案もあったような気がするが。T編集長、やりましょうよ。
追記 近々『英語青年』で「英文学界オーラル・ヒストリー」が不定期連載で始まるそうです。第一回はまさに米須先生。期待してます。