The One vs. the Many
会議。英語の成績つけ、採点そのものよりもサーバー内の平常点のチェックに時間がかかる。
The One Vs. the Many: Minor Characters and the Space of the Protagonist in the Novel
- 作者: Alex Woloch
- 出版社/メーカー: Princeton University Press
- 発売日: 2003/11/23
- メディア: ペーパーバック
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じつに明晰で歯切れのいい散文だが、正直いって長すぎ。フランコ・モレッティなら同じ内容を3分の1で書くんじゃないだろうか。というわけでかなり飛ばし読みました。しかし『高慢と偏見』のエリザベス以外の姉妹たちがどういうところでマイナーであるか細かく論じたところ、『ピクウィック・ペーパーズ』の忘れがたいトリックスター、ジングルや、『大いなる遺産』のウェミック――彼は世界文学における脇役の王様だ――が、なぜあれほど強い印象を残しながらあくまでも脇役なのか、を分析するところ、あまりにも的確。数多い引用のセンスの良さにもしびれる。『ジル・ブラース』でジルが物乞いに出会うところの分析、内的論理をもった主人公に、外部から押し入ってくるマイナー・キャラという図式の検証も、鮮やか。
フラットな、重層性のないキャラは、たいがい召使のような職務を限られた労働者階級である、といった指摘もあるが、基本的には非政治的。政治批評の時代が一回りして、こうしてある意味フォーマルで非歴史的な仕事に若く(著者は1970年生まれ)優秀な人がとりくむようになったのだなあ、と思う。そのこと自体についての政治的判断は、いまやる自信がない。