Planet of Slums
会議。「今日は用があって」と一人消え二人消えしていって、最後委員長と事務長とだけ取り残される。中道通 Cinq で食器を買う。犬用だというのは店には内緒だ。
- 作者: Mike Davis
- 出版社/メーカー: Verso
- 発売日: 2006/03/17
- メディア: ハードカバー
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不動産取引の実態に注意深いのがこの著者らしい。スラムといえばスクオッティング、不法な建物占拠をまず思い浮かべるが、家賃をきっちりとられているスラムの住人も多い。かつて不法占拠で土地を手にした初代のスラム住人が、そこにさらに小屋を立てて新住人に貸す、というような構造、都市の不動産の上層部とは別の位相の不動産世界もまたあるのだ。
デイヴィスは南米とかには自分で行ったことがあるのだろうと思うが、この本は自分の目で見たルポの要素は一切なく、完全に他文献の積み上げ。しかし世界のあらゆる大都市の情報をめまぐるしく繰り出す驚異的スピード感、それを可能にする電撃的ハードボイルド文体は、彼ならではだ。彼の旧著の訳者が自分でいうのもなんだが、こういうハードボイルド・スタイルというのはじつに英語的なもので、なかなか近いリズムをもった日本語というのが想像しづらいんだよな。