Immigrant Acts

荻窪で買い物。犬用の骨付き肉、このへんじゃどこに売ってるのか。

Immigrant Acts: On Asian American Cultural Politics

Immigrant Acts: On Asian American Cultural Politics

著者が9月に来日予定なので、予習。アジア系アメリカ文学・映画とアイデンティティを扱うカルチュラル・スタディーズとしてすでに古典というべき本で、いま読むと正攻法すぎる感もある。『ディクテ―韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール』を論じた部分を見ても、目配りというか、理論装置に無理をさせないバランス感覚みたいなものが第一印象。ハッキョン=チャ以外では、「ゴシップによる歴史感覚の多様化」を実現しているという、Jessica Hagedorn, Dogeaters が面白そうだ。
民族と国家のダブル・アイデンティティの議論というのは、理論的にはあまり興味を惹かれない、というと言いすぎだが、分析的なレベルで理論を洗練させる方向にいっても、しょうがないような気がしてしまう。読みたいのは、たとえ形式が批評であっても、トリン・ミンハや李静和といった、詩としてアイデンティティの壊乱を生きる文章のほうなのですよ。