夢+イギリス近現代女性史研究入門
最近夢と現実の区別があまりつかない。起きぬけに、そういえば以前妙なライヴを観たことがある知日家のウェールズの詩人がふらっと日本に来てるから、授業のゲストスピーカーでも頼もうか、予算残ってたっけ、しかしメールアドレスを知らないな、誰に聞けばいいんだろう……としばらくまじめに考えて、そのウェールズの詩人の存在そのものが夢だと気づく。いや、ライヴ(妙な日本語で歌っていた)の記憶が夢なのはまちがいないんだが、彼の存在はもしかして誰かから聞いた事実なのかも。それは現実であるとお気づきのかた、連絡ください。
CALL英語、健康診断。青土社O氏と打ち合わせ、ジュディス・バトラーをジェンダー論以外から見る、という特集を考えるが、レヴィナスやショーレムの研究者にむりやりバトラーの未訳論文を読んでもらう、というかたちでないと成立しないだろう。特殊講義、マライア・エッジワース, Patronage、探偵小説と専門職表象。
- 作者: 河村貞枝,今井けい
- 出版社/メーカー: 青木書店
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
個人的には、専門職家庭における家族経営的色彩の重要さを指摘する山口みどりの一節がちょっとはっとした。アルフレッド・マーシャルは、1877年にブリストル大学長になるが、そのとき妻のメアリも同大学で、英国初の女性経済学講師になる。しかしマーシャルは、妻の仕事は自分の職務を分け与えたものだと考え、彼女の報酬を自分の給与から差し引くよう主張したという。夫の職は夫婦二人の職であるという意識によって、牧師夫人の慈善や、著作家夫人の校正・清書といった仕事が当然のものとみなされていたわけだ。これと、松浦京子が論じている、労働者階級の「ファミリー・ウェイジ」の観念(一人前の男は妻を働かせなくても十分の収入を得るべきである)は、別の文脈でできあがったものだが、どこかで交差しないか気になる。