東京−ベルリン

東京−ベルリン/ベルリン−東京展@森美術館。節操はないし、超一流の品は少ないけど、娯楽としては文句なしではないかと。同時開催のチェ・ウラムの都市空想生物展もよかった。(ただし「ダヴィンチ・コード展」が混んでいることもあって、チケット持たずにきてたとしたら30分待ち。連休難民の怖ろしさを知る。)最大の不満は、建築写真の少なさか。山脇巌のバウハウス建築の写真(構成主義建築を撮る写真そのものが構成主義であるという、当たり前に奇妙な代物)や、銀座白木屋の透視図が並べられているのだが、そういった資料的価値のあるものだけでなくて、たんに現物の写真がもっとあってもよかった気がする。「美術展」であって博物館でない以上、難しいのだろうか。
いちばん凄かったのはマルティン・リープシャー「フィルハーモニー」(2005)。自分ひとりで演奏会場を埋め尽くす。いちばん楽しんだのはキャンディス・プレイツ「キング(マイケル・ジャクソンの肖像)」(2005)。16人の素人がそれぞれマイコーを歌い踊る。いちばんかっこいいのはシュヴィッタースのコラージュ連作(1920)。いちばん時間をかけて見たのは「帝都大震災画報」6枚(1923)、他ハンナ・ヘーヒ「ローマ」(1925)、村山知義の装置による「朝から夜中まで」の舞台写真(1924)など。夫婦間で意見が割れているのは、東郷青児「彼女のすべて」(1917)が和装か洋装か。わたしはあんな太腿が出ている着物はないと思うのだが、妻は帯が描かれているといってきかないのだ。どなたか決着をつけて頂けると助かります。