ヤバい経済学

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

もう少しすっきりした構成にできたような気もするが、とにかくこうしてこの本があることは慶賀のいたり。好奇心とデータ処理力からなにができるか、要するに学問になにができるかを、レヴィットが(たぶんほとんど本能的に)最高に挑発的に見せてくれているのはまちがいない。ロー対ウェイド判決による中絶の合法化と犯罪率低下の相関性を指摘する議論がやはりいちばん目立っているが、シカゴのクラック売人の経済状況や、子育ての熱心さが子どもの学業成績にどう「響かないか」を論じたところも、悪意があってやってるのか天然なのか、とにかく楽しいし、啓発的。売れて当然。