高校別成績分布

『イギリス文化史1900-1951』の原稿直し。書類仕事。
ここしばらく、高校別の在学者成績を確認する作業をしていた。もちろん細かいことは書けないが、一般的な傾向はいろいろ見えてくる。これは前からわかってたことだが、うちの場合(偏差値的にはそれほどでないがいちおうのブランドイメージをもつ大学の場合、ということか)平均すると、一般入試で入ってきた学生より外部推薦の学生のほうが断然成績がよい。推薦の学生は「来たくて来ている」のに対して、一般入試はそうではないからだろう。どこでもそうだが、うちを第一志望にする受験生は、より高偏差値のところを志望する滑り止め受験生に、ペーパーテストでなかなか勝てない。中条省平もどこかで書いていたように、この結果、一部の一流大学を除けばどこでも、「じつは他に行きたかったんだけど」という意識の学生でキャンパスが溢れかえることになる。十年前に比べればこの意識は弱まってると思うが、消えてはいない。
偏差値による大学・高校の序列化は、他にもいろんなかたちで出てくる。たとえばうちの場合、成績がよいのは近所の都立高出身者だったりする。こうした都立高の多くは、高校の学力ランク自体はそれほど高くはない。いやだからこそ、成績上位者が喜んでうちに来てくれるわけで、家が近くにあればなおさらだ。都立の場合、クラスのなかでのばらつきが私立より大きいということもあるだろう。この手の学生は、ゼミでも「使える」ことが割に多い。純粋に学力という点では中堅私立高で中くらいの成績だった学生と変わらなくても、自分でクラスを引っ張ることを知っているからだ。いっぽう、とくに地方のいわゆる進学校出身者は、ばらつきが出る場合がある。東大や早慶に何人入る、といったことが話題になる高校からうちにくる学生に、かならずしもモティヴェーションは期待できない。入った時点で学力が高くても、やる気が出ずにばっくれるというケースもある。高校の進路指導側も、べつにうちとの関係を良好に保とうとする必然性がないだろうし。結局、「良い高校」からくるのが良い学生とは限らないのだ。大学で「良い学生」かどうか判断するのに、成績という物差しがいいかどうかというのはまた別として……。
犬の井の頭公園デビュー。90キロのセントバーナードや美形ハスキーにご挨拶。つつがなく終わったので、西荻最強の居酒屋「しんぽ」で乾杯。家の犬は社交性にはなんら問題がないので、わざわざ人を呼んで子犬パーティーをやるまでもない、ということになる。nabe氏、ogataさん、怒るだろうなあ。