現代批評理論のすべて

犬の杉並犬猫病院デビュー、ワクチンを打つ。11kg ある子犬は珍しいので、待合室でもてもて。

現代批評理論のすべて (ハンドブック・シリーズ)

現代批評理論のすべて (ハンドブック・シリーズ)

ご恵贈ありがとうございます。日本語で書かれたこの種の本では、現時点でベストと思われる。教科書の追加注文するか。このブログの読者のうち、玄人はなにも言わなくてもどうせ買うと思うが、自分を素人と思うかたは、とりあえずpp.116-119、三浦玲一によるエルトン・ジョン「マイ・ソング」の解釈を立ち読みしてみることをお奨めする。
新書館のこのシリーズのフォーマットにしたがって、どのエントリーも5頁以下に抑えられている。結果的に面白くなっているのは、ポストコロニアル批評(中井亜佐子)、フェミニズム系批評、ジェンダー系批評(新田啓子)、ポストモダン批評、クィア批評(三浦)といった、同じ人間が同じテーマについていくつかの項目にわけて書いているケース。項目ごとにべつの問題設定を立てている(立てさせられている?)わけで、議論の枠がいやおうなしにわかりやすくなっている。