ラスキンの初夜

会議、新任非常勤講師にCALL教室の講習、会議。ちょっと腹が立つ。
VICTORIAメーリングリストは、ラスキンセクシュアリティの話で荒れ気味。ラスキンが女性にアンダーヘアがあることを知らず、新婚初夜に驚いて部屋から飛び出した、という伝説の出所はどこか、という投稿が発端だ。裸体彫刻などでは女性の陰毛が描かれることはないから、ラスキンはそれが実態だと信じていた、というやつだ。どうやら答えは、1965年にメアリー・ラチェンズが、ラスキンの(後に婚姻無効で別れる)妻エフィーの書簡を編集したときに、彼女の "John was disgusted by my person" というフレーズをこう解釈し、同じ議論を Millais and Ruskins (1967) でも繰り返したことらしい。それがフィリス・ローズの Parallel Lives (1983) でさらに一般に知られるようになったようだ。MLがやや荒れてきたのは、これは陰毛の存在を知っていたかどうかとか、女性器が審美的に美しいかどうかの問題ではなくて、インポテンスや幼女趣味の表れじゃないか、といった投稿が出てきてからで、それらに対してラスキンを「擁護したい」と言いだす人、そもそもこんなものは興味本位の煽りであって学問でない、という嘆き、その手のネガティヴな反応を宥めたり、茶化したり、といった具合でスレッドがどんどん伸びる。なんだかなあ。