Sex, Politics and Society

追試の監督、会議。

イギリスのセクシュアリティの歴史について教科書的に書こうとして、頼るべき足場となると、結局この本に戻ってくる。初版から25年、改訂版からもすでに17年たっているので、人口統計の分析などはある程度乗り越えられているのだと思うが、よく知らない。うまく自分の原稿にとりこまないといけないのは、二十世紀初頭の「ラディカルな」人びとは――政治的運動に係わったという意味でそうだった人も、性について率直に語ったという意味でそうだった人も――多くは婚姻制度などについてはきわめて保守的な道徳をもち、実践していたことだ。クリスタベル・パンクハーストとか、マリー・ストープスとか。で、実践面において保守的道徳に縛られていない人、たとえばブルームズベリー・グループの連中はというと、公的な言説においては上の二つの意味ではちっともラディカルでない。このへんを少々乱暴に図式化していいものかどうか、迷うところだ。