ハピネス

ＣＡＬＬ教材作成業者との打ち合わせ、会議、会議、入試でリスニングをやる部屋の音響チェック。
　ＴＶチェルシー２−０リヴァプール、スペクタクルではないハイレベルの試合を堪能させていただきました。

ハピネス (IKKI COMICS)

『Marie の奏でる音楽』 の裏テーマ、「真の幻想は他者の幻想である」をさまざまに変奏した短編集。いずれも、自分の幻想に沈殿する（というか、それしかできない）人びとを、彼らの友人や恋人である主人公の側から描いている。そして、他者がいなければなにも語ることがない主人公たちの空っぽさは、痛ましいというレベルを超えて、生理的恐怖感を与えるまでにいたっている。「あなたが望むなら、私はなんだってする。あなたがいないと私は無になるから」と、「嬲られ踏まれそして咲くのは激情の花」のヒロインは涙とともにいうのだが、そこに感傷性はないし、相互理解なんてものもない。相手は互いにわかりあおうなんて思ってないし、こっちも期待してないのだから。古屋兎丸の描く女子高生は、冴え冴えと無だ。個人的には、女子高生やアイドルものでなく、技術はあるが奔放なイメージを創造できない男前の絵描きと、イメージだけはあふれ出るだっさい友人という男子高校生二人を描いた「インディゴエレジイ」が、いちばんほっと息がつけて好き。