Waley

Orienting Arthur Waley: Japonism, Orientalism, and the Creation of Japanese Literature in English

Orienting Arthur Waley: Japonism, Orientalism, and the Creation of Japanese Literature in English

伝記的事実のところだけ。しばらく前にスキデルスキーのケインズ伝についてここで書いたときに、若き日のケインズの「最近ケンブリッジフェビアン主義者はソドミーの話ばっかだ、友愛、友愛って、昨日聞いた講演もまっことくだらなかった」という手紙に触れたが、そのときはそのくだらない講演をしたシュロスという男が、後に母方の姓を名のり、『源氏物語』を英訳する人物だとは気づかなかった。ついでに言っておくと、そのときの日記では、手紙はリットン・ストレイチー宛てだと書いたが大嘘で、宛先はダンカン・グラントだ。わたしのブログなど信用するものではない。ただしこれが恋人宛ての手紙だと思うと、ますます味わい深いと思う。
著者は鹿児島純心大の先生(当時)。ウェイリーがきわめて寡黙でとっつきにくく、友人や弟子をあまりもたない人だったことがうかがえる。ケインズは先の書簡では突き放した書き方をしているが、ウェイリーもまたブルームズベリー・グループの端にいた人で、どうもこの辺のこと書こうとすると誰が誰とどこで会ったといった話ばかりになりかねない。