EBMからNBMへ
雪景色を見ながら採点。
- 作者: 加藤敏
- 出版社/メーカー: 金剛出版
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ここから先はこっちの勝手な夢想だが、現在では、たとえばプロザックのようなポピュラーな薬名は、患者にとって、自分を生物学的・自然科学的な世界につなぎとめるもの、つまり語りうるものとしての〈現実界〉の役を引き受けることになるんじゃないだろうか。〈象徴界〉ではっきりと役目を与えられて合理化された〈現実界〉というべきか。心理という、自分でも直面したくないなんだかわからないものから逃れるために、病名とか、薬の名前が欲しくなる、という……。この本でも、最近は、自己診断した上で医者にきて、抗鬱剤をくれという、再帰的行動をとる患者が多いというし。