気配りの恋人たち

18世紀演劇読書会(仮称)@吉祥寺。スチュアート朝研究会で年代順に劇を読んでいったら十八世紀まできてしまったので、研究会本体は初心に戻って?ルネサンスに取り組み、こちらはこちらでべつに少人数で立ち上げた、はずなのだが、集まった顔ぶれは本体とほぼ変わらず。Joseph Addison, Cato (1713)、Richard Steele, The Conscious Lovers (1722)。前者は、アメリカ独立戦争の際にも引用されている共和派劇のヒット作だが、とにかくやたらみんな泣く。感傷性の走りということか。エッジワースの Belinda (1801) に出てくる黒人召使(と主人を同じくする犬)の名が、ここからとられていることを初めて知る。後者は、悪人も極端な人物も出てこない円満なウェルメイド・コメディ。当時の代表的劇評家デニスはこの劇をさんざんこきおろしているのだが、それはつまり、王政復古期の劇ならもっとこけにされるキャラが出てきて派手に笑わせるところで、そうなってないからいかん、ということらしい。明らかに馬鹿にされるキャラを出さない、爆笑できないコメディというのがスティールのそもそもの狙いらしく、この辺が時代の変化なんだろうか。
ビール@備長家。三日前の『天保十二年のシェイクスピア』への疑問について、お答えをいただく。えーっと、どっちもシェイクスピアに元ネタはなし。井上ひさしの独創だそうです。