卒論当日

非常勤先で講義、購読。職場に行って会議は卒論の形式チェック。要するに全員分の分量を確かめるのだ。若干のフォーマットミスなどは見つかったが、留年させるようなものはなし。留年するのは二名。数分遅れ、かつ一人はサマリーなし、一人は途中でインクがなくなったらしく後ろがかすれていて読めない。例年よりは少ないほうか。
今年は在外研究中の同僚の児童文学のゼミを一つ引き受けたので、もともとの指導学生ではない6人の卒論を見ることになったが、やっぱりこういうのは厳しい。向うはこちらが何をいうか予測できないし、こちらはどの程度期待したらいいのか、どの程度厳しくいっても大丈夫なのかわからない。指導としては惨敗、4月に彼らがもっていたものから上乗せなしという感じ。指導として悪くなかったのは『ブリジット・ジョーンズの日記』。Iさんは、ごめん、いわゆるできる学生ではないが、とりあえずIMDB、アマゾンおよびファンサイトのユーザーコメント、2ちゃんの関連スレを端から読ませてみたところ、それなりに具体的な『ブリジット』ファンたちの像が浮かび上がった。BBC版『自負と偏見』への観客の反応との絡みとか、わりに面白い。学生は、英語のアカデミックな論文や高級紙のレヴューは自力では読めないが、ユーザーコメントなら読める。補助教材として、ウェブ上の「素人の書いた英語」はもっと活用すべきだね。