oompa, oompa

会議。
Tennessee Williams, Suddenly Last Summer (1958)。初読です。キャサリンが死んだ従兄のセバスチャンについて "he suddenly switched from the evenings to the beach" というところ、もともととても不安定な雰囲気のキャサリンが、さらにすーっと薄くなる感じがする。「夜」を支配していたのはセバスチャンの母ミセス・ヴェナブルで、彼女は社交界で上品に男を引き寄せていたわけだけれど、若いキャサリンが同じことをやるのにできることといったら、浜辺で裸同然の水着を着ることだけだ。あたりの情景が、強烈な陽光に照らされて真っ白に明るくなるとともに、キャサリンもセバスチャンも、影も深みもない、むきだしの存在になる感じがする。精神科医の介入が馬鹿馬鹿しく感じられるほどに、なんの影もない存在。これが不気味で痛ましい。

『女相続人』と続けてみると、精神科医を演ずるモンゴメリー・クリフトの容姿の衰えがすさまじく、画面には出てこないセバスチャンとイメージが重なりまくってますます怖い。