アラブ女性は語る

非常勤先で講義、購読。
職場に戻って Carol Underwood 講演会、"Arab Women Speak Out: Strategies for Self-empowerment." エジプト、イエメン、ヨルダンなどで6年間で6万人以上のアラブ人女性にインタヴューし、ヴィデオに撮り、参加した女性にその後アンケートをとったプロジェクトの報告。アンケートの結果は、家庭やコミュニティでの発言が増したとか、より自分の人生を変えていけると思うようになったとか、まあそういったポジティヴなもの。ヴィデオは穏当な良いイメージしか流さないし、聞こえのいい話ばかりで、地元とどう関係してプロジェクトを遂行したかも最初よくわからず、いらいらする。ただ質疑応答を聞いて、これが各地のNGOを結びつけるような機能をいくらかはもったらしいこと、宗教や暴力について一切触れないという姿勢は、意識的な排除であることはわかった。もちろんアンケートの結果と分析よりも、やること自体に意味があったわけだろう。いちばん唸ったのは学生の質問。「NGOのメンバーの女性を主に撮ったということですが、ほんとうのアラブ女性を見ていないということじゃないですか」とか「夫と一緒に殺されるといった暴力があると聞きましたが、無視したのですか」とか、教員が聞けない、少なくともこういう風には聞けないことをナイーヴに聞いてくれる。ガクセイでガイジン(英語が完璧でない)というのは、いい立場である。