イギーもかわいい、マウスもかわいい

会議、会議、会議、会議。

イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド

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ここに収められた文章を縦書きで読むことにまず違和感があるわけだが、それはじき慣れる。ただ慣れないのは、三十数行が見開きに入ってしまう「一目で見える」感覚だ。この本をを手にとってなにがわかるかといえば、自分がふだんいかにウェブの文章のほうを「ゆっくり」読んでいるかだろう。それはたんに、わたしが書物で育った人間であり、インクで汚れた紙を早くめくることに慣れているというだけのことかもしれない。スクロールして読むほうが、各センテンス(というより各行)に均等な注意をなんとなく払ってしまうのだ。内田樹師とか小田嶋大人とか(内田さんはプロではないと言い張るかもしれないが)プロの売文業の人のブログのフォントが大きめなのは、それを意識していると思う。読んでいる字数からすればはるかに紙のほうが多くても、モニターの文字のほうが、一字あたりの意味では自分にとって大きいというこの事態、あくまで書物の世代の感触かなあ。それとも、ウェブの文章のほうがはるかに肉声に近く聞こえてしまうということか。それもやがて変わっていくのかもしれない。