サングマ農園クローナルワンダー

授業アンケートの結果が出る。文学理論は並。一年生向け概論は、あまりよろしくない。「授業の狙いがわからん」みたいな反応が多い。学生というのはけっこう保守的なもので、英米文学概論という名の授業で、自分の考える「文学」の話が出ないと不快だという反応が多くでるわけです。それはそれとして、必修の授業はだいたい評価が下がるものだし、一年目で組み立てもいいかげんだったから、こんなものかと思いつつ、もちろんいい気分はしない。たぶん二、三年やって構成を組み替えたり、ハンドアウトを整理したりするともう少し上がるのだが、わたしの場合、つねに平均値程度にしか上がらないのも確かだ。いやこういうことを書くのは自殺行為だが、わたしは根本的に講義に向いていない気がする。英語を喋っていると痛感するが、なにがなんでも自分の思っていることを相手に伝えたい、という意思が弱いのですよ、たぶん。わたしにとってことばの基本的なモードは雑談であって、まあ言いたいことをそれなりに文脈からひどく外れない程度に言って、通じるところだけ通じればいいや、みたいなところがある。こういう人間は明らかに教師向きでない。少人数の演習授業で学生の話に耳を傾けて反応することには少し自信があるが、大教室の講義に関しては、一生人気講師にはならないだろうなあ、と思う。いやほんとうは、90分間演技ができないといけないんだけど。
ニューヨークから一時帰国した友人と、リーフルダージリンハウスでテイスティング。プロの売り手と、もののわかった客のやりとりを見ると、幸福な気分になる。そのあと西荻に動いて食事@バルタザールカフェ。互いの配偶者との関係を分析し、ブログを毎日更新している奴は、浮気をする気がないか諦めているかどちらかであると結論づける。