ナイツブリッジのチョンキナ踊り

JACET (大学英語教育学会)発表の打ち合わせ。会費を払っていなくて案内を見ておらず、9月8日が発表日と聞いて驚愕する。
倉田喜弘『1885年ロンドン日本人村』(朝日新聞社、1983)花鳥風月で購入。アルバート・ゲイトの真ん前、だから1851年万博跡地の向かいにできた「日本風俗博覧会」の追跡。このあとサンフランシスコ、シカゴ、メルボルン、ベルリンなど各国を回っている。英国人が「賤民ヲ衆庶ニ観覧セシメ」ることへの批判が、当時国内でけっこうあったことがわかる。読書体験としていちばん異様なのは、東京横浜毎日新聞や郵便報知新聞に出た、当時のイギリスのメディア――出典がたんに「西字新聞」とだけあってよくわからなかったりする――の翻訳記事。「民家は最も奇態にして、壁は竹を編て作り、屋根は藁にて葺けり。家屋の二階には小楼あり、其入口は板を敷き、屋内のゆかに敷物を敷き詰めたるは、住人此の上に坐するが為めならん。……天井は異様の日本紙にて貼り詰めたれども、別に見苦しき所を見ず」。こういうの、異化効果っていうんでしょうか。