クルマから

高円寺ル・カフェでだらだらお喋り。

「日本現代建築」の簡潔で具体的なガイド。大きな見取り図をしめすというより個々の優れた仕事の紹介がおもで、これなら五十嵐太郎でなくてもいいじゃないかという気もする。(こういう仕事が彼一人に集中するという現状のほうが問題だ。)ただ、第四章の「首都高から見る東京建築」は、なるほどという感じ。だいたいの場合建築や都市計画の言説ではクルマは悪者なんだが、ここではクルマからしか見られない建築の貌がスケッチされている。道幅の関係で、じつは歩いていると全体がよくわからない建築は多い。渋谷ライズビルなんてのはその典型。クルマをたんに排斥するのは、現実的でないだけでなく、美的なマイナスでもあるわけだ。読んでいて、晴れた日に首都高に乗りたくなった。しかしこれやるとして、スムースに走れるお盆のあいだがいいのか、渋滞してあたりをゆっくり見る余裕のあるときがいいのか、わからんな。