グロテスクな教養

ベッドが届く。住宅建築誌『ニュー・ハウス』の取材。ローコスト住宅を建てるにあたっての優先順位とか、そういったことを聞かれる。
    グロテスクな教養 (ちくま新書(539))
高田理惠子『グロテスクな教養』(ちくま新書、2005)。名著。侮蔑語である「受験秀才」「優等生」を脱するための「教養」は、きわめてふつうの、まっとうな人を生み出す。竹内洋は、教養人の典型として文人でも大学教員でもなく、木川田一隆元東電会長などをあげているそうだが、教養は専門性(大学でいう業績)ではない「人格」を作るのだから、当然だ。現在、女の子にもてるためのコミュニケーション技術が受験エリートにはしばしば欠けている、という宮台真治らの発言は、正しく教養の伝統に沿っているわけである。最終章のブルジョワお嬢様論も、それまでの「男の子」論と同じように心優しく意地が悪い。さすが。