ザ・ニンジャ

打ち合わせ、区役所、図書予算案書類書き、会議。

日本人が書かなかった日本―誤解と礼賛の450年

原著1996。著者はイヴリン・ウォーやジェイン・オースティン研究の大物。今年一年日本に滞在して、前期は成城大学で、後期はわたしの職場で教鞭をとる予定だ。近々御本人に会う予定なので読んでみた。奥さんが日本人とはいえ、いやだからこそ、イギリス人がイギリス人に向けて書いた日本人論がどんなものか不安だったが、読んで安心。徹底して、欧米人の目に映った日本人像「だけ」を追う本であり、「ほんとうの」日本人がどんな存在であるかはまったく書こうとしていない。その意味では、サイード『オリエンタリズム』と同じ。これは著者の知的誠実さというか本気度の表れだろう。キプリングやマリー・ストープスといった古典から、エリック・ラストベーダーまで、事例も豊富。どんな授業をしてもらえるのか、楽しみだなあ。