ホーンビー
CALL英語、会議、会議、会議、会議。
- 作者: Nick Hornby
- 出版社/メーカー: McSweeney's, Believer Books
- 発売日: 2004/11/30
- メディア: ペーパーバック
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こんなブログをやっていると、読んだ本と買った本の違いには敏感になる。ホーンビーはあいかわらずのほどよい自意識で、三男の誕生やサッカー・シーズンの始まりが、いかに読書量に影響を与えるかを語っていく。芸に昇華された率直さ。アラン・ホリングハーストのブッカー章受賞作 The Line of Beauty など、買ったきり読まれていない。いや、翌月の「読み終わらなかった小説」という、本のタイトルを伏せた項では、「気の利いた細部のきらめきや美しさは、派手なスペクタクルやストーリーテリングに埋め込まれていたほうが、そうでないよりずっといい」という視点から、スピルバーグ映画が賞賛されている。これって……。じつはわたしも、ホリングハーストは現代イギリスきってのスタイリストだと思うが、 The Line of Beauty は半分読んで放り出している。べつに悪口じゃないよ。プルーストだって、七巻すべてどこかは読んで、場所によってはなんども読み返しているのに、一巻たりとも最初から最後まで読んではいないのだ。しかしこういう読み方は、「読んだから書く」ときにはどう処理すればいいのか。
今回初読!という『デイヴィッド・コパーフィールド』への賛歌は嬉しい。最後はパトリック・ハミルトンと、チェーホフの書簡集。まったく口語的でいながら、じつに明晰に理屈っぽい(なんというか、ほとんどあらゆる批評的発言が、この文体を崩さずに可能なようにみえる)というホーンビーのスタイルは、この二人にそっくりだ。久しぶりにチェーホフを読みたくなる。