ストックカー Go Go

CALL英語、会議。

失われた革命―1950年代のアメリカ南部 
ピート・ダニエル『失われた革命――1950年代のアメリカ南部』前田絢子訳(2000、青土社、2004)。タイトル通りの社会史で、黒人公民権運動はむろんのこと、それ以上に1954年のブラウン判決以降の人種隔離主義白人のヒステリックな反応が詳しく読める。メンフィス系音楽への目配りもばっちり。でもなんといっても目玉は、第五章のストックカーレーシング史。写真も豊富。初期のナスカー(全米ストックカー・レーシング協会)のドライヴァーたちのやんちゃぶりがすごい。ジュニア・ジョンソン、カーティス・ターナーといった下膨れの大男たちの野蛮な武勇伝の数々。1940年代にはサラ・クリスチャンなどの女性ドライヴァーもいたとか。60年代前半まで活躍したアフリカ系ドライヴァー、ウェンデル・スコットは「けっして反抗しないという無抵抗の処世術を学んで、あらゆる苦境を乗り越えた」(p.174)のだそうだ。写真を見ても、なんというか下積みが長い顔をしている。
どちらかというと、レッドネック貧乏白人の社会史として貴重。