新宿区ダンボール絵画研究会

1年向けの必修概論、大学での勉強の目的とは、自分の意見や感じかたに他人がどんな反応をどんな立場からしてくるか予測能力を高めることであって、とか説教かましたあとに、グラウンド・ゼロについて。新任非常勤講師S嬢にキャンパスを案内。e-learningオフィスアワー、英語デジタル教材のミスの訂正。こう書くとデジタル化にともなうミスと思うかもしれないが、もとの教科書自体に多数の間違いがある。とくにこの出版社に限ったことではない。

現代思想』のI編集長とばったり会い、お茶。新宿区ダンボール絵画研究会の活動模様を聞く。中央口のカフェ「ベルク」が、駅構内で唯一の個人営業の店として、買収攻勢に負けずにほとんどスクウォッティングののりで店を続けていること、当然段ボールハウスも応援していたこと、など。店のファンとして嬉しくなる。あとは終戦から55年までの東京南東部の工場労働者の詩作サークルの盛り上がり話。旋盤工が己の手を見ての詩、とかね。当時膨大な数があったこの種の同人誌は、共産党の文化工作部ともちろんつながっているが、むしろ詩作の動きが先にあって党がそれに目をつけたのかもしれない。当時の実作者たちが元気なうちに誰かどうにかしておかないと、まじで散逸しかねない文化だ。

Iさんと会うといつもそうであるように、元気が沸いてくるのが半分、いったい俺はなにをやってるんだろう、もっと世間に貢献する学問のしかたがあるのじゃないかと、元気をなくすのが半分。いや、後者が少し多いかな。