象られた力
『ディケンズ鑑賞大事典』、ラカン協会論集原稿の校正。ラカン協会が、フランス語のタイトルを併記しろと言ってくる。自分じゃつけられないんですが、どうしましょう。
- 作者: 飛浩隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/09/08
- メディア: 文庫
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「図形は図形だ。欲望はいつだって見る側にある」(p.398)という台詞があるが、そう簡単にはいかないはず。図形に、記号そのものに宿る欲望は、見る側の欲望をつねに侵食する。「『ハムレット』の一節を口にするとき、あなたはウィリアム・シェイクスピアその人である」とボルヘスなら言うところだ。間主観性は読者を高みに連れていってくれる。でも、それってシェイクスピアにしてみればどんな気分なのか? 「死者」はそれでいま現在ハッピーなのか? というのが、ここで繰り返し問われていることだ。