Congreve

某教科書会社とCALL教室での教材使用の契約書を交わす。契約書の雛形を渡してからほぼ一月、このどたんばで断られるんじゃないかと冷や冷やしたぜ。

スチュアート朝研究会@吉祥寺、William Congreve, THe Double Dealer(1693)とThe Way of the World(1700)。珍しくテクストを読んでいく、といっても後者の一部だけ。結婚前のヒロインが恋人に、客は自由に呼ぶぞとか、日曜にはかならず公園に新品の馬車を仕立てて連れて行けとか、契約めいた条件を次々並べ立てるシーン――ケイリー・グラントキャサリン・ヘップバーンで見てみたい――には、部屋に入ってくるときにはノックしろ、というのもあるのだが、ちょうどこの当時廊下のある、つまり私室のプライヴァシーというものがある住宅が増えてきたとか。

1832年刊のJohn Genestによる十八世紀の上演記録集成を駆使したMさん得意の上演史ネタが面白い。初演時のヒロイン役者は可憐系、彼女と男を取り合う愛人役の女優は年長で、もっと感情的に激しい役が得意。悲劇だと後者が前者を苛める配役が多かったそうだが、コングリーヴのコメディではあくまでお上品な口調を崩さずに嫌味を言い合うので、可憐系も負けていない。「彼がわたしを愛しているのは秘密ではありませんことよ。どうしてあなたがそれを知ったか、そちらののほうが秘密なのでは」とか、大河内奈々子が言っているところを想像すればいいのか。