経済政策を歴史に学ぶ
ほとんど一日中寝る。
- 作者: 田中秀臣
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2006/08/17
- メディア: 新書
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村上・西部のエリート的「官僚」は、専門職たるエコノミストと対比されるのだが、ここが非エコノミストの素人にはわかりにくいところ。西部の「官僚」は専門家より上に立ってあらゆるものを見透かすスーパー・テクノクラートで、通常の専門知よりも上位の存在なんだろうが、じゃあ経済官僚トップがそれとどう違うか、といったらなんだかわからない。リフレに限らず金融政策重視に対して、エリート上層部の決定が経済の最大の動因であることに感情的反発をもつ人もいる。そうした人――気分としてはわからんではない――にとっては、エコノミストがまさに肥大したスーパー官僚に見えてしまうわけだ。この感情的反発そのものについては田中秀臣が応答する必要はまったくないと思うが、西部・村上のエリート主義を批判するならなにかもっと言って欲しかった気がした。