音の力 ストリート占拠編

会議、会議、e-learning 教材のチェック法を同僚に講習。今年は複数クラス共通教材なのにチェックと編集ができる教員が人員配置によってわたししかいないというものがあり、当然予想されるようにミスが続発しまくっていたので、見かねた同僚が「わたしも覚える」と言い出したのだ。しかしその同僚に学期初めに渡してあった授業進行表にミスがあることがわかって、中間試験関係で大慌て。
バークレーの友人Dと六本木で寿司。このおっさんと会うといつもそうだが、谷崎のどの作品がいちばん好きかとかいった馬鹿話。政治批評をやっているが根は保守的な文学好きのつきあいということか。

音の力 〈ストリート〉 占拠編

音の力 〈ストリート〉 占拠編

お腹いっぱいの300ページ。とくに天王寺公園青空カラオケの歴史と撤去をめぐる原口剛と山川宗則の文が印象的。大熊ワタルの法政学生会館をめぐる追想も、基礎的資料として今後振り返られるものかと。凡庸な言い方だが、「現場」の経験性がそこにあるということだ。全体にこれだけ多彩な書き手とミュージシャンを並べて、文体的・姿勢的な落差がほとんど感じられないのが凄い。それだけみんなナチュラルに迷いがない感じがするのだが、迷いというか、自問自答の反省性が少し出ているのは、石黒景太、磯部涼他によるサウンドデモをめぐる鼎談。石黒の「反戦反戦ていうジャンルでしかなかったんだ」とか、小田マサノリの「こんなジャンクなものが目立ってしまうという後進的な状況そのものが大問題」といった発言に唸る。