Spencer and the Limits of the State

1年ゼミ、『モダン・タイムス』。文学理論、『不思議の国のアリス』。去年と同じことを喋ってるような気がするが、1年前の自分の日記を読んでやったことを思い出しているのだから当然だ。

Herbert Spencer and the Limits of the State: The Late Nineteenth-Century Debate Between Individualism and Collectivism (Key Issues Series)

Herbert Spencer and the Limits of the State: The Late Nineteenth-Century Debate Between Individualism and Collectivism (Key Issues Series)

序文と、若干拾い読み。スペンサーの「自由から隷属へ」他、マッケイ、セジウィックシドニー・ウェッブ、チェンバレン、オベロン・ハーバートその他、知らない名の人も含めて、十九世紀末の国家干渉論と個人主義の議論をまとめたアンソロジー。もう少しきちんと読まないといけない。ギッシングは Our Friend the Charlatan (1901)で Jean Izoulet の生物社会学をもちだして、スペンサーに反論する男を主人公にしている。スペンサーの「個人と国家」は個人主義的にすぎる、社会はもっと統一的であるべきだ、という議論をふりまわして有力者にとりいろうとする男である。ここで重要なのは、イズレもスペンサーも、社会を生物の比喩で語り、個人を細胞に比していることでは変わりないこと。ざっと眺めただけでも、同じ生物学的比喩が、より国家主義的にもより個人主義的にも使われることはみえてくる。