怪盗グリフィン、絶体絶命

書類処理、ゼミは自己紹介とイントロ。授業が始まった緊張感がまるでないのは、今年は新ネタの講義がないせいだ、と思うことにする。

怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)

怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)

傑作。本秀康のイラスト・表紙も楽しい。ブードゥーの呪い人形というのは、言われてみればものすごく法月的なアイデンティティ問題をつきつけるものだ。舞台となる中米の島にボコノン、贋作画家にオドラデク、カクテルにニック・ヴェルヴェット、といったネーミングで大人心をくすぐるくすぐる。楽しく読んでるうちに、アメリカとの関係を含む中米の政治状況や、ピーナッツの歴史的意味がまじめに学べるあたり、『おっちょこちょ医』とかのなだいなだの子ども向けの本思い出した。