イカロスの墜落

洗面台にアルミのパネルを貼ってもらう。うちの洗面台は実験室用で、大きくて平たくていいんだけど、メーカー仕様通りに取り付けたら、蛇口がかなり高くて水が撥ねるのだ。そこまではわれわれも設計事務所も気が回らなかったわけで。
学会を一つさぼって、掃除、洗濯、ようやく冬物のコートを出す。無印で布団とか収納ケースとか。
Alexander Nemerov, "The Flight of Form: Auden, Bruegel, and the Turn to Abstraction in the 1940s" Critical Inquiry 31-4 (2005): 780-810。オーデンのブリューゲル論を皮切りに、「イカロスの墜落」(1558)を狂言回しに当時の「芸術と政治」を論ずるエレガントな論文。右端の落ちたイカロスが飛行機墜落のイメージと重ねられ、それに一顧だにせずにたんたんと自分の仕事をしている手前の農夫は、無自覚な一般人であるとともに、自分の仕事のみに集中するアーティストの象徴にもなる。自分のみに向かいあうこと自体が革命的であるとみなすトロツキー的視点と、それでいいのかという不安が古典に読み込まれるわけだ。左端の木の脇の謎の丸ポチと、マザウェルの Wall Painting with Stripes (1944)を重ねてるのもちょっとおもしろい。