海賊ブラッド

成城で講義、購読。駅でいろものシェイクスピア学者のYさんとばったり会い、お茶。イギリスで学位授与式に行ってきたばかりのYさんだが、「日本人が博士号とるのに袖の下はいくら渡したの? ××大じゃ5万ポンドが相場という話だけど……」と聞く人がいたとか。いや、金持ちニッポン学生から金をできるだけ巻き上げたいイギリス人教員の幻想が流布してるんだと思いますが。
DVD『キャプテン・ブラッド』(1935ワーナー、マイケル・カーティス)。アイルランド人医師ブラッド(エロール・フリン、美しい)が、モンマス公の側についてジェームズ二世と戦った兵隊を治療した咎で新大陸に送られ、ポート・ロイヤルで奴隷となるが、総督の痛風を治療して引き立てられ、そのうちスペインの海賊に街が襲われたのに乗じて奴隷仲間と脱出、船を奪って海賊となる……。裁判シーンや奴隷市場のシーンで、無名の役者たちのクローズアップが次々続き、これがみんななかなかいい顔をしている。『女王クリスティナ』でもそうだったし、この頃のエピック映画ではよくある演出なんだろうか。若い頃のオリヴィア・デ・ハヴィランドを見たくなって見てみたが、それより十七世紀末のアメリカでの白人奴隷、という設定が気になってしまう。けっこういたものなんでしょうか。十七世紀研究の方、教えてください。