コップ酒の底にモロトフの炎見ゆ

破天荒な人々―叛乱世代の証言

破天荒な人々―叛乱世代の証言

60、70年安保世代の七人へのインタヴュー。花園紀男がいまも武装闘争路線を変えていないのが凄い。かつて早稲田ブントの盟友だった編者の荒もひるんでいる。いちばん面白いのは、無党派選挙の神様、斎藤まさし。この人がここまで徹底した革命志向の人だというのにはちょっと驚いた。荒に「意外ですね」といわれて、「意外ですか? そうかなぁ」と言ってるんだが、斎藤氏に言わせれば、ひとつひとつの国政選挙での戦略などは革命とは別物である、という発想こそが「意外」なのかもしれない。それから、このへんに詳しい人には有名なことなのだろうが、初代『状況』編集長の古賀のぼる(字が出ない)の回想に出てくる廣松渉の、ある意味せこい策士ぶりが楽しい。明治の校門にでっかい立て看を立てて、そこに「早稲田大学は今日決起する」とか「中央大学は今日決起する」とか、古賀が勝手に打ったでっちあげ電報を貼り付けておくとかいうのは、廣松のアイデアだったそうだ。