机の足は紙になるのか

ずーっと放っておいたお茶大COEセクシュアリティ論データベースの入力。e-learning期末試験作成。会議、夏休みの仕事が増える。新築の図書館建造計画をめぐって建築家側とバトルの雰囲気。
ロンドンの連続爆破事件の報道が続く。でも、分析とか情報の提示という意味では誰も語るべきことをもっていない。もちろん重大な事件だし、現場に知人がいる人には笑い事ではないが、事象としてはマドリッドと違うことはなにもないようにみえる。アルカイダ、だと言われているが、誰がやったにせよ、この五年間で「テロ」は、生活の一部、というより自然環境の一部になった。おおかたの国際政治学者のことばは、もう消費されつくしている。だから事件は「わかっていてもとめられない」、自然災害に近づいている。いまの状況のなにが怖ろしいといったら、解決の展望が乏しいこと以上に、「テロ」自体が未来への展望を欠いている、あるいはその目的が、「テロ」が恒常化している世界を作りだすこと以外の、なにでもないように思えることだ。具体的な要求は、今回も出そうにない。そしてイギリス社会は、自発的に自由を収縮させていくだろう。それは擾乱の取り締まりという点で成功であっても、「自由社会」の敗北だろう。「テロリスト」の定期的活動でいちばん儲けるのは、つまりはセキュリティ屋である。