止まり木がほしい

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うちは窓を開け放すとかなり涼しいが、人間がいないときに閉めきっておくと暑く、鳥には辛い。そして新居のリヴィングにはまだエアコンが届いていない。よって空き時間に家に戻って鳥の相手をする。われわれの設計ミスで、いまの家には鳥がとまれる場所がない。三日前まで住んでいた社宅には、窓と押入れの桟もあったし、なにより六畳間とキッチンのあいだの建具を外して使っていたので、欄間があった。鳥どもはいつでも空中でとまれるスポットがあったのだ。
ところが今の家には、欄間はもちろん桟もない。とくにオカメインコは戸惑い気味。カゴから出してやると、部屋中飛び回り、しかし腰を下ろす場所がないので、わたしの肩にとまる。べつにわたしになついているわけではないのだ。左肩にとまっている彼に右手の指を差し出すと、奇声を発して噛みやがる。右手と左肩が同じ生命体に属していることをわかっているのかいないのか。とにかく不安らしく、肩を離れようとしない。だからわたしはさ、一階に下りたいのよ、わかる？　ちょっと冷蔵庫の上にいてよ、ね？