ヴィーナス・プラスX
銀行。NTT武蔵野営業所があると思ったところに行ってみて、平成十五年!十二月に閉鎖されていたことを初めて知って驚愕。成城でイアン・リトルウッド氏と食事。サセックスも最近はせちがらく、留学生センターの仕事など大変とか。特殊講義、英文購読。
仕事で事務上の大チョンボをしていたことに気づく。もしかして読んでいる方がいないとも限らないので念を押しておくと、英語のチーム・ティーチングに関する話ではございません。
- 作者: シオドアスタージョン,Theodore Sturgeon,大久保譲
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 単行本
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スタージョンはセックスに肯定的な作家だ。そして、カタツムリのような相互交尾がおこなわれているこの未来社会は、ジェンダーなきセックスの楽園だ。読んでいながらずっと、この小説は、ジェンダーの不均衡こそが人間の暴力性の根源にあると訴え、その二つが消えた社会をとりあえず肯定すること(もしかして最後にひっくりかえしてその限界を暴くこと)が狙いだと思っていたが、あさはかでした。その程度のひねりじゃありません。狭義のジェンダーというより、快楽を全肯定するユートピアはいかにして持続可能か、という問題がむしろ主眼か。現代のストーリーラインのほうの主人公、ハーブは、そこそこに、たぶんわたしと同程度に幸福だ。レダム人社会は、その幸福を「愛」とともに増大させていくことは可能なのか、という思考実験の場だということか。