岸辺の夕餉

    Keeping Up Appearances: Entertaining Hyacinth [VHS] [Import]   Keeping Up Appearances: My Way Hyacinth Way [DVD] [Import]
授業で使おうと思って、何巻か手元にあるうち適当に目についた巻の Keeping up Appearances のヴィデオをつかみ、川辺のピクニック、ではなく、"waterside supper with riparian entertainments" に出かける回に決める。このまったく周囲を目に入れない、傍若無人を悪趣味ワンピースに詰め込んだ破壊神ともいうべきヒヤシンス・バケットおばちゃん(本人は自分のことを、後ろにアクセントをおいて「ブーケー」と呼ぶ)、わざわざシェリダンの辞書を引いて riparian という語を探し、意気揚々と「素晴らしい自然と川を楽しみに」出かけるのだが、川にはショベルカーが入っていて気分もなにも……。もろワーキング・クラスの妹夫妻(バケツに入れて冷やしたチョコバーを食べる前に自分の脇の下で拭ったりする)との対比がまたすさまじい。イギリスの俗物趣味を教える教材としてはありがたいけど、しっかしこれが国民的コメディって、どういう国なのか。「これはイギリスでは上流の人がみて馬鹿にしてるのか」っていう質問がまちがいなくくるだろうが、そうじゃない、同じ階層の観客がこれで笑ってるんだ、と説明しても、はたしてみんな納得するかね?