ケインズの恋人たち

非常勤の講義、購読。試験問題を伝える。
エルトン・ジョン他の結婚、ではないのか、シヴィル・パートナーシップ式典のニュースを見る。当然ながら、長年一緒に暮らしてきて、すでに関係が安定している年配者が多い。そこまで安定していないカップルの関係が、これで変わるとしたらどう変わるのか。いままでもっとカジュアルだった(カジュアルであるしかなかった)ゲイの恋愛関係に、「いつ届け出を出すか」問題が加わったわけだが、「できちゃった」というわかりやすい後押しはないし、悩むカップルも多いだろうなあ。

John Maynard Keynes: Volume 1: Hopes Betrayed 1883-1920

John Maynard Keynes: Volume 1: Hopes Betrayed 1883-1920

拾い読み。スキデルスキーの散文はすばらしく、こういうの「リーダブルな伝記」っていうんだろう。ケインズは、ロンドンやチュニスで若い男を金で買ってもいるし、インド人留学生と短期間つきあったりしたこともあったが、結局長く続いたのは同階級の友人であるダンカン・グラントとの関係だけだったようだ。実際的な人だったから、金を相手に渡したりなにかと面倒をみて成立するような関係は、あまり関係が固定化する前に適当に切り上げてしまっていたのかな、という気もする。ケンブリッジフェビアン主義者が「同胞愛」について語るのを、ケインズはときどきリットン・ストレイチー宛の書簡で「ソドミー」と呼んで茶化してるのが面白いが、手紙によっては「ソドミー」というのがほんとの同性愛のことなのか社会主義同胞愛のことなのかわからず、読んでて混乱する。