2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

古典映画強化日

仙川の駅まわりをぶらぶら歩く。 DVD『紅塵』(MGM、ヴィクター・フレミング、1932)。タイトルは「塵」だが、むやみやたらと雨が降る映画で、その雨がすばらしい。サイゴンから船で一週間という奥地のゴム農園の現場監督がクラーク・ゲーブル、むんむん。流…

恋愛の昭和史

小谷野敦『恋愛の昭和史』(文藝春秋、2005)。『<男の恋>の文学史』の続編・近代編で、「国文学者」小谷野の現時点での代表作。「恋愛」は近代以前からあった!、発明品だなどと言ってやがる奴は無知だ、と序文で吼えていながら、本文は明治以降だけを扱…

IWGP 5

石田衣良『反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク5』(文藝春秋 2005)。シリーズ長期化の弊害で、サルやキング・タカシが全能になりすぎ、なんでも電話1本で解決してしまえる雰囲気になってしまっているのが痛いが、中国工場での半強制的過酷労働、集団自…

ルネッサンスその他

ヴィクトリア朝研究会二日目。"Espoir", How to Live on a Hundred a Year, Make a Good Appearance, and Save Money (1874) 解題。レア本。森永卓郎のヴィクトリア朝版という感じだが、語り手=正しい節約生活紹介者はオールドミスあるいは寡婦で、田舎で一…

ナイティンゲールその他

ヴィクトリア朝研究会。Laura Peters, Orphan Texts: Victorian Orphans, Culture and Empire (Manchester UP, 2000) 解題。ちょっと言及されているRose Macaulay, Orphan Ireland(1924)という小説が凄そう。救貧委員会の手でアメリカに送り込まれるはずのア…

空間のイギリス史

川北稔・藤川隆男編『空間のイギリス史』(山川出版社、2005)。ロングセラーの『路地裏の大英帝国』と似た作り。ただし川北大先生の阪大退官記念論集であり、こういうものの常として縁とゆかりのある人間はたくさんいるから書き手は増え、しかし出版社はあ…

Congreve

某教科書会社とCALL教室での教材使用の契約書を交わす。契約書の雛形を渡してからほぼ一月、このどたんばで断られるんじゃないかと冷や冷やしたぜ。スチュアート朝研究会@吉祥寺、William Congreve, THe Double Dealer(1693)とThe Way of the World(1700)。…

セキュリティ

秋に出す予定の本の原稿をなんとか終わらせる、あるいは終わったと自分に暗示をかけて出版社に送る。一昨日書いたセキュリティの件に補足。いま住宅建築では「外と内のせめぎあい」というのが流行のテーマらしい。住むのは家の内側でも、外部の光や風、風景…

CALL

CALL教室の講習会、英語の非常勤講師との打ち合わせ、e-learning授業担当講師の打ち合わせ。職場のシステムでは、教科書・問題集をいくつかデジタル化して使うのだが、毎年のことながらその準備がぎりぎりになる。今年は少し新入生を採りすぎたため英語のコ…

ALSOK

家のセキセイインコは、ふだん妻の左手でセックスだか自慰だかをしている。親指と中指の爪を打ち合わせると、それが嘴に見えるのか、手首に止まり一心不乱に怖い目をして羽を広げ、腰を前後ではなく左右に振って擦りつける。今日、わたしが彼の前で左手の指…

グローバル・セックス

渋谷を歩き、Au Temp Jadis のガレットを食べる。美味。 デニス・アルトマン『グローバル・セックス』(2001、河口和也・風間孝・岡島克樹訳、岩波書店、2005)。風間さん、ご恵贈ありがとうございます。ゲイ政治学の重鎮の初の翻訳。同性愛はもちろん、グロ…

Hard Cash

Charles Reade, Hard Cash (1863, AMS 1970) 読了。ずいぶん時間がかかった。家族の陰謀で正気なのに精神病院に閉じこめられてしまうネタのセンセーション小説として名高い作品で、実際後半、主人公があの手この手で正気を主張するところが迫力がある。タイ…

Bodies That Matter

卒業式。毎年のことながらいやだ。お茶大COEジェンダー研文献討論会、Judith Butler, Bodies That Matter (1993)に顔を出す。初歩的な質問に丁寧に答えていただいてありがとうございます。いったいなにかというと、バトラーのいう引用とか反復性における…

クッツェー、フィクションの共同体

http://www.lac.c.u-tokyo.ac.jp/laccolloque.htmlの第2セッションに行ってくる。今年は後期の授業で『恥辱』を読む予定だからだ。いや、本来は児童文学の授業で、中心は『ドリトル先生』なんですけどね。純真な子たちにむりやりクッツェーを読ませて総スカ…

開始

われもブログなるものをせんとて、とりあえず始めてみる。